どろんこあそび

文化幼児園には、広いお砂場があります。屋根もあり、暑い日はみんな自然と集まってきます。

さくら・うめ・もも組さんは水道の水を自分達で汲んできてよいことになっていますので、バケツややかん、じょうろをそれぞれ選んで持って来て水を汲み、お砂場に持っていきます。雨の次の日には砂場の裏の水路から持ってくることもあるのです。

砂場は大きな川のようになったり、時にはさらに大きな湖のようになったりします。掘っては水を流し、掘っては流し・・・トンネルだって上手に作られていきます。そしてたんぽぽ組のお友達が裸足でやってくると、泥水を足でぺちゃぺちゃ。スコップですくい泥水をバケツに移したり、砂を水の中へ落としたり。次から次へと名もない遊びが生まれていきます。

お砂場の川から水をすくい、今度は別の場所にあるコップの中へ・・・とお友達と夢中になっています。これも名もない遊びの一つです。水をすくう時には、水かさがあまりなく浅いのですくいやすい道具を自分で見つけてきます。遊びに夢中になる中で”この道具がいいな”と自然と工夫をしていきます。

「名もない遊び」とは、名付けようもないような子ども達の遊びの営みです。鬼ごっこやブランコなどの”あ~、この遊びね”とすぐに大人のイメージが付く遊びとは少し違い、偶然の出来事や子どもの発見などから次々に遊びが生まれ、流れるように変化していきます。大人のぱっとみた時の印象は脈絡もなく、”いたずら”や”何をしているのかわからない”という印象になることもあるでしょう。それは名もない遊びが偶発的で、流動的だからかもしれません。子どもの独特の世界で繰り広げられていくからかもしれません。

しかし、保育者はそこに寄り添い、時には子どもと共に遊びます。すると、こんなことが面白いのね、こんなことが夢中になる要素なのね、と子どもの側から気付きを得ます。

名もない遊びは子どもが自主的に生み出していく遊びでもあるので、この遊びの時間を大切にしていきたいと思います。

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